第26回ボランティア・スピリット・アワードで付属高校の野田千尋さん(3年)がブロック賞(九州)を受賞しました。ボランティア・スピリット・アワードは、ボランティア活動に取り組む中高校生を表彰し、生徒たちの自信を育むと同時に、受賞者同士が交流する場を設け、受賞者がさらに成長・発展する機会を提供するもの(主催:プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命、後援:日本教育新聞社主催、文部科学省、日本赤十字社)。2022年度は全国から個人応募 71名、グループ応募 11,669名の応募のなかから、ブロック賞30組、コミュニティ賞150組が選ばれました。
野田さんは2年生の時に、コロナ禍で動物虐待や殺処分が増えているという報道を目にしたことがきっかけで、総合的な探究の時間『深学科プログラム』のテーマを「動物愛護」に決め、同じクラスの友人たちとグループで活動をスタート。動物保護団体「きずなの丘」を取材し、飼育放棄された動物たちが劣悪な環境下におかれ、失明や腫瘍を抱えるなど著しく健康を害した状態で保護されている悲惨な現状を学びました。"動物たちを助けたい"と、グループで手作りしたバンダナを保護動物の譲渡会で販売。その売り上げや、活動に協力してもらえるカフェに募金箱を設置し、集まったお金を保護団体に寄付しました。また、保護動物のケアに多くのタオルが必要と知り、校内で不要のタオルやハンカチなどの提供を呼びかけ、集まった物品を保護団体に届けました。さらに、保護動物に関する情報発信のため動画や写真をSNSに投稿するなどさまざまな活動を行いました。
進級後、友人たちとクラスが分かれ、受験などそれぞれが多忙でともに活動ができないなかでも、「きずなの丘」のホームページに動物愛護に関する自作動画を載せるなど個人で活動を続けました。「動物の殺処分をなくしたい。自分が高校生のうちに大人の協力を得ながらできることがあるのではと考えて行動した」と語る野田さん。現在はその行動力やパソコン操作のスキルが評価され、「きずなの丘」から依頼された団体の紹介動画制作などにも取り組んでいます。
野田さんは、将来弁護士になりたいと法学部へ進学。「保護動物と出会ったからこそ、自分の生活を取り巻く法律やルール、人権問題に関心を持つようになった。法律がどのように私たちの生活をより良くしているのか、また改善点はないかを学び、弁護士になって保護動物にもっと寄り添える活動がしたい」と今後の抱負を述べました。